この記事では以下の事がわかります。
- ・カラーベストの種類やグレード。
- ・カラーベストの葺き替えや工事内容。
- ・工事のタイミングやおおよその金額。
カラーベストとは?
歴史について
昭和12年(1937年)アメリカで製造開始。
昭和36年(1961年)に日本で「コロニアル」という商品名で発売。
昭和51年(1976年)JIS規格取得。
現在は「住宅屋根用化粧石綿スレート」と呼ばれ、ケイミュー等の建材メーカーで発売。
定義
主材料がセメント、 石綿(アスベスト)を混合、加圧成形され作られた厚さ4~10㎜の薄い瓦となります。現在ではノンアスベストタイプ(無石綿) けい酸質原料、石綿以外の繊維質原料、混和材料を用いて生産されております。
アスベスト(石綿)について
2004年以前のカラーベストの屋根では、アスベスト(石綿)が含まれております。現在では含まれる事を禁止されており、生産されておりません。
重さ(kg)と1坪あたりの枚数
商品名 | コロニアルクァッド | コロニアルグラッサ |
1枚あたりの重さ | 約3.4Kg | 約3.4Kg |
1坪あたりの重さ | 約68Kg | 約68Kg |
1坪あたり枚数 | 20枚 | 20枚 |
サイズ | W910×H414mm | W910×H414mm |
働き幅(見えている部分) | W910×H182mm | W910×H182mm |
1梱包あたりの枚数 | 8枚 | 8枚 |
現場でも使えるカラーベストの枚数の計算方法。
(屋根の大きさ÷3.31)×20
屋根の大きさが70㎡とした場合
70㎡÷3.31(坪数)=21.15坪(第三小数点繰上り)
21.15×20枚=423枚
ただし現場では、カットをしないといけないので、
423枚×1.1倍=465枚となります。
1梱包8枚入りなので465÷8枚で58.125セット。小数点があるので、業者に差はありますが、58~59セットの発注となります。
枚数を把握できれば、重さもわかりますね(*’ω’*)
カラーベストのお家の見分け方
自分が住んでいるお家の屋根材がわからない方も多いです。やはり屋根材を知らないと工事のタイミングや工事内容がわかりません。
そこで、お家の前から見た時に屋根が見えない場合はどこを見ればよいかを解説します。
- ケラバが板金であるか。
- 棟に板金がついているか。
- 家の図面に記載されている。
カラーベストのメリット・デメリット
- 工事金額が安い。
- 材料が軽い為、家の負担を軽減できる。
- 補修等、手間が少ない。
- 地震に強い。
- 色の種類が多くて、デザインがスタイリッシュ。
工事金額が安い
カラーベストは施工もしやすく、職人さんの工数がかからず、材料も安いので屋根材の中ではトップクラスに安いです。特に新築でも一番使われる屋根材の為、職人さんができる人も多いのも特徴的です。
重量が軽い為、家の負担が少ない
屋根が100㎡だとすると、重さは2054kgとなります。瓦屋根に比べると重さは段違いに軽いです。軽いと耐震性能が上がります。
昔は屋根は重いほうが良いとされ、瓦屋根が普及されておりました。が、現在では大地震が相次ぎ、実は重い屋根の方が揺れが大きくなることがわかり、実際の被害との因果関係をみて、軽いほうが良いとなりました。
デザイン性が良く、色や種類も多い!
カラーベストはメーカーの正規品でも色の種類がかなりあります。しかも塗装との相性もいい為、費用はかかりますが色は無限に変えれます。カラーベスト自体のデザインもスタイリッシュに屋根が仕上がる為、見栄えもとても良く出来上がります。色だけではなく、形も種類があります。
以上、メリットは沢山あります。次にデメリットを確認してみましょう。
カラーベストではメンテナンスが命となります。しっかりとしたメンテナンスをしていれば災害にも強くなるのですが、今回はメンテナンスを放置するとどうなるかもお伝え出来ればと思います。
デメリットはこちら。
- 台風に弱い。
- メンテナンスとして、塗装を10年に一度しないといけない。
- 寒い地域に弱い。
台風に弱い?
台風被害にあうと、以下の破損がありえます。
- ・棟板金の飛散
- ・カラーベスト本体の飛散
メンテナンスをしていないと、板金の釘は風や振動によって浮きが発生し、中にある木に釘が効いていない状態を発生させます。すると、板金はただかぶせてあるだけの状態になりますので、強い風が吹けば飛んでいってしまいます。
カラーベスト本体も一緒で、メンテナンスをしていないと、元々薄い本体が更に薄くなり、浮きが発生してきます。この浮きに風が入るとバキッと折れてしまいます。
どちらも風に飛ばされると、近所のお家にも迷惑がかかる事になりますので早目の点検をしていきましょう。
10年に一度塗装が必要!
基本的にカラーベストは10年に一度の塗装が必要となります。しかし、あくまでも理想であって、中には15年目に塗装される方もいます。しかし、遅くなればなるほどカラーベスト本体は傷みます。ヒビが入ったり、塗膜が部分的にめくれてきたり。だから遅くとも12~13年に一度ペースで塗装していた方が良いです。
もちろん地域にもよりますが、こちらが左が築15年~20年。右が30年ほどの建物となります。15年程の屋根でも、もう表面は剥がれかけております。
カラーベストの防水性は塗装に頼り切っている面がありますので、雨漏れする前に一度屋根を業者さんに診てもらいましょう!塗装が切れると、たちまち劣化が進みだします。放置しすぎると塗装では済まず、葺き替えが必要となる恐れがあります。
寒い地域に弱い。
カラーベストは重ね合わして、間に必ず隙間が生まれます。そこに水分が入り、凍結し氷になってしまうと、氷が膨らみ、ヒビや割れの原因となります。最終的には雨漏れとなる可能性があります。
寒冷地域とは、北海道・東北・北陸と北緯37度以北および高冷地が寒冷地となります。
カラーベストの工事種類
棟板金取替工事
棟板金は10年に一度は釘を打ち直したり、交換したりする必要があります。棟板金が古くなると、風に耐えれなくなり飛散する恐れがあります。
通常屋根塗装するタイミングで交換したりします。
基本的には、施工日数は1~2日で完工します。
金額は、
1m=¥5000~6000円程
m数が少なくなると、一式になる可能性があり、基本的には、10~15m以内は一式になる可能性があります。
カラーベスト交換工事
カラーベストに割れや、ヒビがあると交換する事は可能です。専用の器具がいります。
この器具を使用して、カラーベストの中の釘に引っ掛けて釘を抜き取ります。
一枚につき、作業時間は20分ほどで完工します。
金額は、
1枚=7000~8000円。
しかし、大体枚数が少ないと一式価格になりますので
¥50000円(税別)くらいが相場かと思います。
基本的に足場がない場合もありますので、少し高い傾向にあります
コーキング補修工事
ヒビや割れにコーキングは有効です。ただしコーキングは紫外線に弱い為、数年で劣化する事もありえる為、あくまでも応急処理ですので、交換はしておいた方が良いです。
特に雨漏れがすでに発生している段階では、コーキングだけの処理はやめといた方が良いです。お金の無駄になる可能性があります。
金額は、
大体箇所¥20000円(税別)ほど。
ただし業者によっては、現場調査の際にしてもらえる業者もいるかと思います。
カラーベスト葺き替え工事
葺き替え工事は、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材に変える工事の事を指します。撤去作業もかなりの量の廃棄物がでる為、高額になっていきます。
- ①屋根材撤去
- ②下地貼増工事
- ③ルーフィング貼付工事
- ④屋根材取付工事
- ⑤板金工事
この順番で工事をしていきます。
金額は、
瓦→カラーベストの場合
屋根材撤去 ㎡=5500円
構造用合板貼増 ㎡=2500~2800円
ルーフィング貼付 ㎡=800~1200円
カラーベスト貼付工事 ㎡=4500~5500円
ここまでは大体単価がきまっております。
合計すると、㎡=14000円程。
100㎡とすると、140万円程となります。
ここからプラスとして、板金工事費があります。
棟板金 m=2500円
壁際板金 m=2000円
ケラバ板金 m=1800円
軒先板金 m=1200円
谷板金 m=2000円
の5つで構成されます。
金額はざっくりになりますが、これくらいの金額かと思われます。
あとは、仮設足場も必ず必要となります。
合計すると、100㎡で大体200万円くらいが相場となります。
施工期間は1週間~10日程かと思われます。
カラーベストから葺き替えはカバー工法がおすすめ!
カバー工法という屋根材があります。こちらは撤去をするわけではなく、上から金属の屋根材を張り付ける工法となります。金額的にも内容的にもおすすめとなります。
おすすめできる理由
・撤去の際、アスベストの飛散をしない
・2重になる為、将来的な雨漏れもしにくい
・断熱材がついている屋根材を使えば、暖かい
・工期が短縮でき、見栄えもカッコいい
・屋根材としての保証も長い。
カラーベストから葺き替えを検討されている方は、圧倒的にカバー工法をおすすめ致します。
カバー工法の記事はこちら☆
最後に
以上がカラーベストの解説となります。
私が初めて書いた記事となりますので、しっかり更新をしていこうと思います。
金額は大体これくらいが相場という値段でまとめておりますが、各業者によりサービスだったり、施工方法だったりで、微妙に金額は変わってくるかと思います。
ぼったくりだけには合わないように注意していきましょう(^^)
相見積は絶対にとりましょうね!